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死と隣り合わせ!高層ビルの間を跳び回る海外の忍者たち

高層ビルを跳び回る男性たち

主人公たちが追い掛けられる場面は映画には付き物だ。乗り物に飛び乗ったり、急斜面の壁をよじ登ったりして逃げ回る。こんな漫画のような非現実的な世界を実現した人たちがいる。ただし、一歩間違えば転落死が口を開けて待っている。

香港のビル街を飛ぶがごとく走り回る

この動画で目にするのはビル*1とビルの間を軽快に疾走しては跳躍する男性たちの様子だ。まるで凸凹な地上で鬼ごっこでもしているかのような軽い身のこなしだ。しかし、走り回っているのは空き地でも公園でもない。香港*2の高層ビルのはざまだ。少しでも平衡感覚を崩したり、跳ぶ距離を見誤ったりすれば、目的の地点に着地できない。つまり、あの世行きだ。

ビルの屋上から真下の香港の町中を見下ろす一場面があるが、その場にいるわけでもないのに背筋が寒くなってしまう。はらはらの連続なので、高所が苦手だとすくみ上がってしまうはずだ。

ビルからビルへと跳び越え、体勢をひどく崩すことなく向こう側に着地する。そして、何事もなかったかのように間髪を入れず走り出している。入念に予行演習をしていたとしても、これだけ洗練された緻密な動きができることには恐れ入る。

世の中には特殊な能力を持つ人間がいることを改めて実感させられた。ただし、高い所から自由落下*3する能力は誰しもが持っているから、決してまねはしないでもらいたい。

「平成」の世にも現存している忍者女子高生?

「パルクール*4」という「Xスポーツ*5」をご存じだろうか。

ビルとビルの間を飛び移り、壁や手すりを利用して、町中を自由自在に駆け回るものだ。これはフランス*6が発祥のトレーニング*7で、体一つで目の前に立ちはだかる障害物を克服していく。自由自在に操れる肉体と精神面の強化を主目的としているそうだ。

日本ではサントリー社のテレビ広告に「忍者女子高生」として登場したことがある泉ひかり氏が有名だ。泉氏によると、パルクールで大事なのは動作の前に周囲の安全確認や障害物の強度を確認すること。そして、仮に失敗した場合でも受け身を取ることを織り込んだ上で挑戦することだそうだ。つまり、短絡的思考や蛮勇で行うべきではないわけだ。

ただし、ジャッキー・チェンやサモ・ハン・キンポーが銀幕の中で蛮勇を振るう姿なら大歓迎なのだが。

(出典:YouTube

*1:鉄筋コンクリートなどで造った高層建築物。ビルディング。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*2:(Xianggang; Hong Kong)中国本土の南にある特別行政区。香港島・九竜半島・付属諸島から成る。アヘン戦争後、1842年香港島、60年に九竜半島南端部がイギリスに割譲され、98年九竜半島の大部分と付属諸島とから成る新界が租借地となった。深水の良港で、自由貿易地域として繁栄。1997年中国に返還。国際的な金融・貿易センター。人口707万2千(2011)。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*3:重力だけが作用している運動。軌道上の人工衛星の運動など。地上では、投げ上げた石の運動などがこれに近い。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*4:【フランス parkour】自分の体のみを用いて,素早い移動・跳躍・登攀(とうはん)などを行うパフォーマンス。主に都市にある人工物(塀・壁・建物・手摺(す)りなど)を障害物として用いる。PK。〔フランスで発祥〕/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*5:【extreme sports】〔極限のスポーツの意〕過激で挑戦的なスポーツ種目または競技方法の総称。サブカルチャーの一つ。バンジージャンプ,インライン-スケート,ジェット-スキー,ファン-スキーなど。アクション-スポーツ,ストリート-スポーツとも。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*6:【France・仏蘭西】ヨーロッパ大陸西部の共和国。古くはガリアと称しローマ帝国の属州、5世紀にフランク王国が成立、その後分裂したが14~15世紀の百年戦争を経て統一国家を形成、17~18世紀ヨーロッパ大陸に覇を唱え、アジア・アフリカに植民、高度の近代文化を築いた。1789年のフランス革命で第1共和制が成立、のちナポレオン1世による第1帝政、その没落後、王政復古および第2共和制・第2帝政を経て1871年第3共和制、第二次大戦後第4共和制、1958年ド=ゴールによる第5共和制で今に至る。面積55万1500平方キロメートル。人口6140万(2006)。首都パリ。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*7:【training】訓練。練習。鍛錬。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)