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混沌(こんとん)たる首都バンコク!町並みを打ち眺める

バンコクにある駐車場を歩く僧侶とバイクで通り過ぎる女性たち

タイの首都バンコクは発展目覚ましい。東南アジアの交通の要衝であるスワンナプーム国際空港。バンコクの中心部を走る高速鉄道や高速道路。次々と建てられる近代的なビルなども象徴的だ。一方、伝統的な寺院なども混在し、一種独特の雰囲気を醸し出している。

2018年6月12日:用字用語の整理。

新旧混じり合った深みのある場所

この動画はバンコク*1の町並みをドローン*2で撮影したものだ。

都心を縫うように高速道路が続き、幹線道路の真上を高架鉄道が走る。慢性的な交通渋滞と小路をがんがん暴走するバイク*3や三輪タクシーのトゥクトゥク。

黄金仏寺院の異名を持つワット・トライミットの金ぴかの仏像もさることながら、黄金色と白色がうまく調和している建物も壮麗だ。だいだい色のけさを身にまとい仏に祈る僧侶の面魂は迫力満点である。

バンコクの街路のあちこちに点在する屋台が使っている調理油はきっと悪質だろう。しかし、いざ食べてみると、安くておいしいB級グルメ*4に格上げ必至だ。

経済発展に仏教や文化が忘却されることなく、しっかり根付いて日常に溶け込んでいる。超高層ビルの下をはだしの僧侶が托鉢(たくはつ)を持っていく光景は「時間旅行」をしているかのような気分に浸れるはずだ。

水の都バンコクの運河や水路は大部分が埋め立てられてしまったが、黄土色のチャオプラヤ川*5は今もなおタイ人の生活に密着している。

その西岸にあるのが故三島由紀夫氏の小説「暁の寺」にも登場するワット・アルンだ。建物自体にきらびやかさはないが、大仏塔に登ってから一望するチャオプラヤ川一体の風景は格別だ。

黄金色の巨大な涅槃(ねはん)像が横たわるワット・ポーにあるタイ古式マッサージ*6で足裏だけでなく、えび反りにもされて旅疲れを癒やすのも悪くない。

傾いて倒れそうに見える60階建ての高級ホテル「ローズウッド・バンコク」はテトリス*7に失敗したわけではない。タイ人があいさつの際に合掌する「ワイ」の姿態を表現したデザイン*8のようだ。2019年の開業を目指して建築中だ。

これら全てを混成しているのが天使の都バンコクなのである。

バンコクは日の出の勢いで成長中!

バンコクにそびえ立つ超高層ビル群

東南アジア*9が生産地かつ消費地として注目を浴びてから久しい。特にバンコクは東南アジアの成長を象徴する都市として経済も人口も拡大し続けている。国際通貨基金(IMF*10)のデータ*11によると、2017年のバンコクの名目国内総生産(GDP*12)は3,975億ドル(約43兆7438億円/2018年6月7日現在)で、直近5年では年平均3~4%と着実に経済成長を続けている。また、バンコクの人口も増え続け、2015年時点で927万人と1000万人に迫る勢いだ。5年前の人口が821万人だったことを考えると、この5年間で約11%も増えた勘定になる。

タイ国内の地方からの出稼ぎの流入もあるが、海外からの人口流入も要因となっている。ちなみに、バンコク市内および市街地に住む日本人はおよそ8万2000人。日系企業の参入とともに、魅惑のバンコクが秘める「緩い雰囲気」も日本人たちを引きつけているのだろう。

他文化に対しても寛容なバンコクには既にブランド*13店が軒を争っているが、将来的には香港*14やシンガポール*15に肩を並べる名実ともに東南アジアを代表する都市になるだろう。

とにかく異名である「自由の国」がぴったりと当てはまるバンコクだ。時には日本と比べて自由過ぎるため、あっけに取られるかもしれない。しかし、人生一度はこの混沌(こんとん)たるバンコクに足を運び、価値観をひっくり返されるのもいいもんだ。

そして、いつの間にか眉間のしわがほほ笑みに変わっているのに気付くのではないだろうか。

(出典:YouTube

*1:【Bangkok】タイ王国の首都。メナム(チャオプラヤ)河口近くにある。米・チーク材などの貿易港として発展、同国の商工業の中心。クルンテープ(「天使の都」の意)で始まる長い正式名称を持つ。人口830万5千(2010)。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*2:【drone】無線で遠隔操作される無人の飛行物体。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*3:【motorbike(アメリカ)】オートバイ。原動機付き自転車。バイク。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*4:〔グルメ(gourmet)は食通・美食家の意〕俗に,大衆向けの飲食店で供される安価な料理(ラーメンなどの麺類,カレー-ライス,丼物など)を楽しむ人。また,そのような料理や飲食店の総称。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*5:【Chao Phraya】タイの中部を南流する川。北部の山地に源を発し,タイ湾に注ぐ。下流域は米作地帯で,河口近くにバンコクがある。長さ1200キロメートル。旧称,メナム。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*6:【massage】手または特殊な器械を用いて体を擦る・揉む・叩くなどして行う治療法。血行をよくし、疲労を去り、筋肉の機能を高め、緊張をほぐすとされる。美容のためにも行う。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*7:【Tetris】コンピューター-ゲームの一。落下するピース(4 個の正方形で構成)を回転・移動させて積み上げ,横一列に正方形を並べると列を消せる。1985 年にソ連の技術者パジトノフ(Alexey Pajitnov)等が開発。数多くのゲームに移植された。商標名。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*8:【design】意匠計画。製品の材質・機能および美的造形性などの諸要素と、技術・生産・消費面からの各種の要求を検討・調整する総合的造形計画。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*9:アジアの東南部。ベトナム・ラオス・カンボジア・タイ・ミャンマー(ビルマ)・フィリピン・ブルネイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・東ティモールを含む。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*10:(International Monetary Fund)国際通貨基金。IMF協定に基づき、1946年に加盟国の出資によって創設された国際金融機関。国連専門機関の一つ。本部はワシントン。為替管理の撤廃、為替相場の安定、国際収支難に陥っている加盟国への短期資金の融資などを目的とする。日本は52年加盟。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*11:【data】立論・計算の基礎となる、既知のあるいは認容された事実・数値。資料。与件。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*12:(gross domestic product)一定期間(通常1年間)に国内で新たに生産された財・サービスの価値の合計。国民総生産から海外での純所得を差し引いたもの。GDP/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*13:【brand】(焼印の意)商標。銘柄。特に、名の通った銘柄。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*14:(Xianggang; Hong Kong)中国本土の南にある特別行政区。香港島・九竜半島・付属諸島から成る。アヘン戦争後、1842年香港島、60年に九竜半島南端部がイギリスに割譲され、98年九竜半島の大部分と付属諸島とから成る新界が租借地となった。深水の良港で、自由貿易地域として繁栄。1997年中国に返還。国際的な金融・貿易センター。人口707万2千(2011)。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*15:【Singapore・新嘉坡】(梵語で「獅子の都」の意)マレー半島の最南端の島。その属島と共に構成する共和国。1819年イギリス植民地、1963年イギリスから独立し、マレーシアの一州になったが、65年分離独立。住民の約4分の3が華人。面積719平方キロメートル。人口377万2千(2010)。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)