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ひょんな方法でファウルボールを手に入れた幸運な女性!

ビールの容器に入ったボールを観客たちに見せる女性

大リーグの球場では内外野席を問わず、グローブ持参で応援しているファンが日本よりはるかに大勢いる。なぜなら、打った球を観覧席で捕球すれば、大リーグ公式球をもらえるからだ。ところが、違った形で美技を見せ付けた女性がいたようで。

ファウルボールがすっぽり入る

ここは大リーグ*1のサンディエゴ*2・パドレスの本拠地があるペトコ・パークである。バッター*3が強振すると、打球は前ではなくてバックネット*4裏に飛んでいった。

ここまでなら普通のファウルボール*5だが、ボールの行方にご注目。なんと観戦していた女性が持っていたビールの容器にすぽっと突っ込んだのだ。思わぬ事態に腹を立てるどころか、大喜びの女性。それを見た観客たちは「まさかのファインプレー*6」に拍手喝采で応じたのだ。

そして、注目の的となった女性は返礼を贈るのだ。ご愛嬌(あいきょう)とばかりに、世界に一つしかないソーダフロート*7ならぬ「ビールフロート」をぐいぐいと飲み干したのだ。その機転の利いた女性の振る舞いに観客たちが再び盛り上がったのは言うまでもない。

残念なのはボールが容器に入った瞬間が撮影されていないことだろうか。しかし、球場全体の一体感が実に素晴らしかった。彼女にとっては生涯忘れることができない最高の野球観戦になったはずだ。

球場のデザインとファウルの関係

ボストンにあるフェンウェイパークの空撮

大リーグの球場のデザイン*8は豊富である。それは球場によって広さも形状も大きく異なる点だ。

左中間と右中間が膨らんでいてホームラン*9が出づらい球場もあれば、右中間と左中間が弧を描いていない直線でホームランが多発する球場もある。中にはボストン*10にあるフェンウェイパークのように、レフト側が極端に狭いため、グリーン*11モンスター*12と呼ばれる高さ約11メートル*13あるフェンス*14を設けることで、ホームラン乱発を防いでいる球場もある。

さらに、球場の違いはフェアグラウンド*15だけでなくファウルグラウンド*16にも表れている。フェアグラウンドの面積の広狭によって観客席とグラウンドの遠近が変わってくる。

ファウルグラウンドの広さはファウルフライ*17のアウト*18数の差に顕著に表れる。大リーグが公表している2013年のデータ*19によると、ファウルグラウンドが広いオークランド・アスレチックスの本拠地であるオークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアムとシカゴ・カブスの本拠地リグレー・フィールドでは年間で2倍以上もファウルフライでアウトになる数が違う。

これはピッチャー*20にとっては生きるか死ぬかの問題である。なぜなら、ファウルグラウンドが広い方がバッターを打ち取りやすく、年俸にも影響がある年間の防御率*21に密接に関係してくるからだ。つまり、ピッチャーにとっては「広いファウルグラウンド」が歓迎されるのだ。

ちなみに、このファウルボールは試合をする大リーガー*22たちにとってはなんの変哲もないファウルでしかない。しかし、女性にとってはホームラン*23級の宝物に違いない。

(出典:YouTube

*1:(major league)アメリカ二大プロ野球リーグのこと。アメリカン‐リーグとナショナル‐リーグで構成。メジャー‐リーグ。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*2:【San Diego】アメリカ合衆国南西端、太平洋岸南部の都市。軍港や航空機産業で有名。人口139万5千(2015)。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*3:【batter】野球で、打者(だしゃ)。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*4:(和製語 back net)野球などで、本塁の後方に張って打球をとめるための網。バック‐ストップ。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*5:【foul ball】野球で,ファウル-ラインの外側にそれた打球。ファウル。邪球。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*6:【fine play】美技。妙技。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*7:【soda float】ソーダ水にアイス-クリームを浮かせた飲み物。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*8:【design】意匠計画。製品の材質・機能および美的造形性などの諸要素と、技術・生産・消費面からの各種の要求を検討・調整する総合的造形計画。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*9:【home run】野球で、本塁打のこと。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*10:【Boston】アメリカ北東部、マサチューセッツ州の州都。ニュー‐イングランドの中心をなす港湾都市。市内および周辺には著名な大学が多い。人口66万7千(2015)。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*11:【green】緑。緑色。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*12:【monster】怪物。化物。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*13:【meter(オランダ)・mètre(フランス)】長さの単位。国際単位系(SI)の基本単位。最初は赤道から北極までの大円距離の1000万分の1と定められた。1875年、国際メートル原器の2標線間の長さと改められ、さらに1960年、クリプトン86原子から出る光の波長を基準としたが、83年からは、光が真空中で1秒の2億9979万2458分の1に伝わる行路の長さと定義されている。「米」「米突」とも書く。記号 m /出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*14:【fence】特に、野球のグラウンドを囲む柵や板囲。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*15:(和製語 fair ground)野球のグラウンドで、2本のファウル‐ラインの内側の区域。線上はフェア。ファウル‐グラウンド。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*16:【foul ground】野球のグラウンドで、2本のファウル‐ラインの外側の区域。フェア‐グラウンド。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*17:【foul fly】野球で,ファウル-ラインより外側へ飛んだ打球。接地前に捕球されると,打者はアウトになる。邪飛球。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*18:【out】野球で、打者や走者が打席・塁にいる資格を失うこと。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*19:【data】立論・計算の基礎となる、既知のあるいは認容された事実・数値。資料。与件。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*20:【pitcher】野球で、打者にボールを投げる人。投手。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*21:野球で、投手の自責点の1試合当りの平均値。自責点合計に9を掛け、投球イニング数で割ったもの。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*22:アメリカ大リーグに所属している野球選手。メジャー‐リーガー。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*23:【home run】野球で、本塁打のこと。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)