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一歩でも踏み外したら谷底に転落!クモ男が命懸けの岩登り

断崖絶壁を器具を用いずよじ登る男性

東京オリンピックで「スポーツクライミング」が新たに正式種目となる。日本では最近ボルダリングの愛好家が増え、岩や壁が設置された公園もちらほら見られるようになった。しかし、動画に登場する断崖絶壁を身一つでよじ登る猛者には驚かされるばかりだ。

生と死の狭間に身をおいて

この動画の舞台は切り立った険しい崖である。高度は相当あって見ているこちらがすくみ上がるほどだ。当然足を踏み外せば、落命するのは間違いない。こんな断崖絶壁を命綱はおろか、安全用の道具もなしで登攀(とうはん)*1しようとするのだから、冷や冷やさせられる。

そんな手に汗を握る周囲の心配をよそに、どこ吹く風で淡々と登り続ける男性。場所が場所だけに、つかむ岩も掛ける足も寸分の過ちすら許されない。なぜなら、過ちは即刻「死」を意味するからだ。そのような状況下にもかかわらず、スパイダーマンさながらの身のこなしで高みに進んでいく。冷静沈着な判断力で登頂を目指すこの男性は力と技をも兼ね備えた超人である。

意外なのは男性が息を切らすわけでなく、休憩を挟むわけでもなく、ひょうひょうとしていることだ。些細な間違いが命取りになる環境を克服するため、これくらい割り切った強心臓が必要なのかもしれない。

フリーソロは最も危険なクライミング

岩山の登攀に力を貸す男性

ロッククライミング*2と呼ばれる岩登り自体を目的とするスポーツ*3が存在する。ロッククライミングにはあぶみ*4というはしご状の用具を使って登る人工登攀(とうはん)とも訳されるエイドクライミングと、道具を用いずに自力で登り切るフリークライミング*5の2種類に分かれる。

ちなみに、ボルダリング*6はフリークライミングに分類される。フリークライミングの中でも、命綱すらも使わないで登るのがフリーソロで、究極のフリークライミングとされている。まさに「命知らず」の岩登りだ。米国にあるヨセミテ*7国立公園内にある岩壁エル・キャピタンをフリーソロで登り切ったアレックス・オノルド氏が第一人者とされている。

日本の子どもたちにも人気のボルダリング。「そこに岩があるから」の名言が生まれる日もそう遠くなさそうだ。

(出典:YouTube

*1:山や高所によじのぼること。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*2:【rock-climbing】登山で、岩壁をよじのぼること。また、その技術。岩登り。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*3:【sport(s)】陸上競技・野球・テニス・水泳・ボートレースなどから登山・狩猟などにいたるまで、遊戯・競争・肉体的鍛錬の要素を含む身体運動の総称。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*4:【鐙】岩登りに用いる短い縄ばしご。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*5:【free climbing】登山で、安全確保のため以外にはロープやハーケンなどの器具を用いない岩登り。また、屋内の人工壁などを登る競技もいう。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*6:【bouldering】(boulderは巨石の意)飛び降りても怪我をしない程度の小岩壁や岩を対象とする、確保用のロープを使わないフリー‐クライミング。競技としても行われる。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*7:【Yosemite】アメリカ合衆国の国立公園。カリフォルニア州の中部、シエラ‐ネヴァダ山脈中に位置し、マーセド川の作る峡谷美で名高い。世界遺産。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)