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終始圧倒的優位に立つ猫?風変わりなビリヤード対決!

ビリヤードの上手な猫

映画の影響でビリヤードが爆発的に流行した1980年代。待ち時間が2時間を越えるのもざらだったそうだ。ボウリング場にはビリヤード台や卓球台が併設されていることがあるので、存在は誰もが知っているはずだ。しかし、「玉突き猫」の誕生は知る由もなかった。

ビリヤード腕がぴか一の猫

この動画では飼い主と猫がビリヤード*1で対決する。猫相手なので複雑なルール*2は酷だから、たくさんのボール*3を穴に落とした方が勝利となる変則式だ。

いよいよ出番を得た猫はキュー*4代わりの手を器用に駆使しながら、一つ一つとボールを穴に落としていく。途中で白色の手玉を落としても交代せずに続けるのはご愛敬だ。お構いなしに次から次へとボールを穴に落とし続ける。落とし方もスナップ*5を利かしたり、爪を出したりとなかなか多彩だ。最後に赤色の的球7番ボールを落とし、台上のボールが全て無くなった。

この対決は猫の完勝だ。ただし、当の猫はといえば、何事もなかったような素振りだ。この自由奔放な性格が愛猫家の心をつかんで離さないはずだ。

ビリヤードの歴史と動画の教訓

ビリヤード台の手玉の方から的球を見る

ビリヤードの歴史はわれわれの予想をはるかに超えて古い。紀元前400年前後のギリシャ*6で行われていた地面にある石を棒で突く競技が起源とされている。その後中世ヨーロッパ*7の室内において行われる競技に形を変え、台を用いてボールとボールを当てたり、台の端にある穴にボールを入れたりするゲームに発展した。

そして、14~15世紀にかけて、ヨーロッパの宮廷でビリヤードがはやったそうだ。ビリヤードが日本に入ってきたのは鎖国*8をしていた江戸時代で、当時国交のあったオランダ*9の商人が契機になったとのことだ。ちょんまげを結った武士たちが、はかまを羽織りながらキューを握っている想像をすると、思わずくすっとしてしまう。

2017年度レジャー白書によると、ビリヤードを年間1回以上遊んだ人は約230万人となっており、最も多かった2009年当時の約900万人と比べて約4分の1にまで激減している。放課後や飲み会の後などの隙間時間の定番だった娯楽が、スマホやゲームに取って代わられたのが主因だ。

ふと思い付いたのだが、猫によるビリヤード大会を開催してはいかがだろうか。奇想天外な着想なのは百も承知二百も合点だが、かの偉人アップル社の創始者である故スティーブ・ジョブズ氏も「わが道を行け」と諭していた。これまでも「当たり前」を打破してこそ技術革新が生まれてきたはずだ。

話がちょいと大げさになってしまったが、猫と共生しているなら高所に割れ物は置かない方が良さそうだ。

(出典:YouTube

*1:【billiards】室内競技の一つ。ラシャ張りの長方形の台上に数個の玉を置き、棒(キュー)で突いて他の玉にあてて勝敗を争うもの。15世紀頃イギリス・フランス両国に始まり、日本には1850年(嘉永3)頃オランダ人が伝えた。玉突き。撞球(どうきゅう)。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*2:【rule】規則。通則。準則。例規。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*3:【ball】ゴムまたは革などで作ったまり。球。また、球状のもの。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*4:【cue】ビリヤードに用いる突き棒。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*5:【snap】野球の投球やゴルフの打球の際に、手首の力を使うこと。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*6:【ラテン Graecia】 ヨーロッパ南東部,バルカン半島南端部とエーゲ海のクレタ島・ロードス島・レスボス島などから成る共和国。西洋文明の源流をなす古代ギリシャ文明の発祥地。紀元前八世紀頃,アテネ・スパルタなど多くの都市国家が成立,前五世紀にはアテネを中心に古典文化の最盛期を迎えた。一五世紀以後はオスマン帝国の支配下に入ったが,1821~29年の独立戦争に勝利し,王国として独立。1973年共和国となる。住民はギリシャ正教を奉じる。世界的な観光国で,オリーブ・ブドウなどを産する。首都アテネ。面積13万平方キロメートル。人口1113万(2007)。正称,ギリシャ共和国。ギリシア。〔「希臘」とも当てた〕/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*7:【Europa(ポルトガル)・(オランダ)・欧羅巴】(ギリシア語の Eurōpē から)六大州の一つ。ユーラシア大陸の西部をなす半島状の部分と、それに付属する諸島とから成り、面積約1050万平方キロメートル。人口約7億3800万(2015)。北は北極海、西は大西洋に臨み、南は地中海を距ててアフリカ大陸に対し、アジアとは東はウラル山脈、南東はカフカス山脈・黒海・カスピ海で境を接する。ギリシア・ローマの高度古代文明を経て、中世の約千年間キリスト教的統一文明圏を形成。イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・ロシアなど約40の独立国に分かれる。エウロパ。欧州。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*8:(1801年志筑忠雄がケンペル「日本誌」を抄訳し、「鎖国論」と題したのに始まる語)江戸幕府が、キリスト教禁止を眼目として、中国・オランダ以外の外国人の渡来・貿易と日本人の海外渡航とを禁じたこと。この状態を「鎖国」と呼ぶのが一般的になったのは近代以降。近年では、幕府が四つの口(長崎・対馬・薩摩・松前)を通して国際関係を築いていたという見解が通説。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*9:【Olanda(ポルトガル)・和蘭・阿蘭陀】西ヨーロッパの立憲王国。北海に面し、面積4万1542平方キロメートル、人口1665万6千(2011)。首都はアムステルダム。1581年ハプスブルク王家の支配から脱し、17世紀に隆盛。1600年、初めて日本と通交。江戸時代に西洋文化の輸入は専らオランダを経て行われたため、舶来のものに「オランダ」「和蘭」「蘭」の名を冠して呼んだ例が多い。正式呼称、ネーデルラント。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)