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大人の「鬼ごっこ」?プロの運動選手たちによる真剣勝負!

大人の鬼ごっこで対戦する2人

子どもの頃はどんな遊戯をしていただろうか。鬼ごっこをして遊んでいたのを思い起こす大人も多いはずだ。地域によって鬼遊びや鬼事とも呼ばれる鬼ごっこ。今や会話にすらあまり出てこないのではないだろうか。ところが、スポーツとして発展しているようだ。

逃亡者と追跡者による熾烈(しれつ)な争い

この動画で映し出されている鬼ごっこ。2人が追い逃げる役と掛ける役とに分かれているのは理解できるが、とにかく目立つのは所狭しと並ぶ障害物の数々だ。机から鉄棒まで限られた余地にぎっちり詰められており、短距離走の速さだけに任せて攻略するのは難しいことが容易に想像できる。

しかし、登場人物たちの手に掛かれば、進行を妨げる邪魔物もなんのその。絶妙な身のこなしによって棒の間をかいくぐり、速度を鈍化させることなく障害物を飛び越えて動き回っている。その忍者のごとく敏しょうな動きは羨望(せんぼう)のまなざしで見てしまうほどだ。また、制限のある空間と時間で行うため、お互いに駆け引きが必要になる。つまり、やみくもに追迫するだけでなく、相手の得手不得手なども織り込んだ戦略的な要素も求められるのだ。

たかだか鬼ごっことは形容し難いくらい身体能力*1と頭脳を駆使する過酷なスポーツといえよう。試合後の固い握手を見ていると、触れた触れないでもめていたのとは別次元であることを思い知らされた。

フェアに戦うためのルール

夕暮れの走者たち

この鬼ごっこは「ワールド・チェイス・タグ(World Chase Tag)」というプロ*2のアスリート*3集団による競技である。チーム形式から一対一で対戦するものまで試合形式は多様性に富んでいる。

たいまん*4では20秒以内に相手に接触すれば得点となり、2点以上差をつけるか、10点を先取した方が勝利になる。ただし、飛び掛かるなどの危険な動作や足による接触は禁止されている。

子どもの頃に首を巡らすと手軽な遊戯だった鬼ごっこを競技として発展させ、ルールを制定したことに驚かされた。「ぐうで殴った」だの「服は無効」だので、しょっちゅうけんかに発展したが、今となっては良き思い出だ。もし当時鬼ごっこのルール*5が厳格化されていたら、新たな英雄が生まれていたかもしれない。

ちなみに、家庭内の鬼から逃げようと悪あがきするおっさんもいるようだが、袋のネズミ*6であることをお忘れなく。

(出典:YouTube

*1:スポーツにおける身体的資質の総称。競技上のテクニックに依存しない基礎能力。体格・瞬発力・持久力など。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*2:専門家。職業としてそれを行う人。プロフェッショナル。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*3:【athlete】運動選手。特に、陸上競技の選手。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*4:一対一で決闘することをいう俗語。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*5:【rule】規則。通則。準則。例規。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*6:【袋の鼠】袋の中に入れられた鼠。逃れることのできないたとえ。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)