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母猫が出産する光景!命の息吹を一気に四つも授かった?

出産直前で落ち着かない様子の母猫

新しい生命が誕生する瞬間は期待に胸が高鳴る。しかし、特に初めての出産を迎える女性は未知への不安を募らせるはずだ。それでは、猫の場合は果たしてどうだろうか。いつも自らの進度で物事をし、ごろごろしている印象だが、母猫になる瞬間をのぞいてみよう。

立て続けに猫の赤ちゃんが産まれる

寝床でにゃあにゃあと鳴きながら、ごろごろしている猫。腹をさすっているのは飼い主の手だろう。一見すると猫と飼い主の日常的な一こまだ。ところが、何やら落ち着かない様子で動き回っている。

すると、立ち上がって気張りだし、しばらくすると子猫が誕生した。子猫は透明な羊膜*1に覆われて母猫の腹から出てくる。母猫が素早く口先で羊膜とへその緒を食べてやると、子猫が産声を上げて動きだす。

出産お疲れさま。ここで一休みと思いきや、立て続けに猫の赤ちゃんが産まれてくるではないか。2匹目、3匹目と次から次へと産まれてくる。そして、どのくらいの時間が経過したのだろうか。ついに4匹目の赤ちゃんを無事に出産したのだ。動物が持つ本能に驚かされると同時に感動的な瞬間だった。

猫の妊娠と出産の注意点

ソファでたたずみながら目を閉じる猫

猫の妊娠期間は60日前後である。妊娠してから20日前後ほどしてから腹部が膨らみ、妊娠の兆候が現れてくる。さらに、30日くらいを過ぎると、腹部が一層膨らみ、羊水の中の胎児が大きくなった圧迫感から排尿の頻度が増えてくる。出産が近づくと、生殖器をなめたり、そわそわして落ち着きがなくなったりしてくる。そして、いよいよ誕生を迎えるわけだ。

普段のんびり屋さんの雌猫だとしても、出産後はストレス*2から気性が荒くなる。だから、過度に介入すると自ら子殺しをしてしまったり、育児放棄をしてしまったりする事例も多いため、十二分に注意が必要だ。ただし、以下のような場合は例外とし、羊膜をむいてあげたり、へその緒を切ってあげたりする「救済措置」を検討しよう。

猫の出産時に救済を検討すべき状態の一覧

  1. 陣痛が1時間以上続いている。
  2. 羊膜が破れていない。
  3. 子猫が母猫の下敷きになっている。
  4. へその緒が切れていない。
  5. ずっと鳴き続けている。

可能な限り専門家である獣医師に速やかにご相談されることをお勧めしたい。そのため、猫の出産が近づいたら最寄りの動物病院などを調べておくのが最良であろう。

雌猫は複数の卵子を一度に排卵する多胎*3性なので一度の出産で平均的に3~5匹を妊娠するとされている。交尾をする度に排卵が促進されるため、種違い*4であることも珍しくない。隔世遺伝*5に加えて産まれた子猫たちの毛色や模様がばらばらな一因である。

昨今人間界ではまな子をあやめてしまうような凄惨(せいさん)な事件が後を絶たないが、命懸けで子猫を守る母猫の姿に改めて動物としての愛情を痛感した次第だ。

いずれにせよ、手塩に掛けた子猫がすくすくと育ちますように。

(出典:YouTube

*1:昆虫類および爬虫類・鳥類・哺乳類にある胚膜の一つ。哺乳類では、胎児を包む半透明の薄膜で、内外二層から成り、平滑筋が発達する。中に羊水をみたし、胎児を保護する。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*2:【stress】種々の外部刺激が負担として働くとき、心身に生じる機能変化。ストレスの原因となる要素(ストレッサー)は寒暑・騒音・化学物質など物理化学的なもの、飢餓・感染・過労・睡眠不足など生物学的なもの、精神緊張・不安・恐怖・興奮など社会的なものなど多様である。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*3:二人以上の胎児が子宮内にいる状態。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*4:兄弟姉妹で,母は同じで父が異なること。たねがわり。異父。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*5:先祖にあった劣性形質が世代をへだてて子孫に現れる現象。両親には発現しなかった祖父母の形質が子に現れる場合など。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)