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高圧電線を切断した瞬間、男性に襲い掛かる危険とは?

高圧電線を切断しようとしている男性

世間には専門家のなすことだから安全と認識していても、不安を払拭できないことがある。動物園で猛獣に餌をやるときも、案じ事の一つだ。間違いないと思いつつも、よもやの出来事を憂いてしまうことがある。それでは、こんな場面なら何が起きそうだろうか。

巨大なはさみで高圧電線を切り離す

高所のはしご車に巨大なはさみのような電線を切断する用具を持った男性が乗っている。間近に電線が走っているので、数あるうちのどれかを切り落とす算段だ。切断する電線まで刃を接近させ、いよいよ切り落とす瞬間。

その道の玄人が切断するのだから「心配無用」のはずだが、帯電している電線がばたんと落ちてきたり、用具の絶縁体の部分がもげていたりと危険予知をすると、おっかなくなってしまう。

さくりと電線が切断されると、「じりじり」という日常生活では耳にしないごう音とともに真っ白いリボン*1のような電気が放たれている。

危機一髪を回避した男性は自らの「いい仕事」をたたえるかのように奇声を発した。一度その電気に触れてしまったら即死は免れないだけに、大事には至らず一安心である。しかし、切断直後にこれだけ放電したこと、絶縁体でできた手袋を装着していないことについては、いささか疑問が残る。

電線の切断による被害や事故

電線に群れをなして止まる鳥たち

過去に起きた自衛隊のジェット機*2の墜落事故によって電線が切断された事例では、埼玉県南部や東京都西部で停電を引き起こしたことがあった。殉職者のご名誉のために補足しておくが、航空事故調査委員会の報告書によれば操縦士と整備士の過失は認められていない。

仮に国内で切断された電線が人体に接触した場合はどうなるだろうか。一般家庭に電気送り届ける電線は「配電線*3」と呼ばれている。配電線が送る電圧は100Vか200Vの低圧であることが多い。

接触が短時間であれば大やけどの心配はないようだ。しかし、いずれにしても細心の注意を払い、触れないに超したことはない。低圧であっても人体が汗や雨などでぬれていれば、抵抗が落ちるため、感電死する可能性は完全に排除できないからだ。「42Vは死にボルト」を肝に銘じておきたい。

事故は得てして慢心から発生する。油断はけがの基とは、まさにこのことだろう。

家庭だって、仕事だって、何もない「無風状態」のときが最も怖いのだから。ああ、嵐の前の静けさよ。

(出典:YouTube

*1:【ribbon】幅の狭い薄地の織物。洋服・帽子・頭髪の飾りや贈答品の包装に用いる。また,手芸の材料とする。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*2:ジェット-エンジンによって推力を得る飛行機。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*3:配電所から送られた電力を需要者に送る電線路。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)