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木工旋盤で大ちょんぼ?切削されたのは木材だけにあらず!

木材を木工旋盤で丹念に削る男性

小学校には図工こと図画工作の授業があり、絵画や造形を学んだ。副教科のときだけ、意気揚々としている同級生もいたはずだ。物作りには人を無二無三に打ち込ませる何かがあると幼心に思ったものだ。ただし、何事にも失敗が付き物であることは忘れるべからず。

削り過ぎにはご用心!

あごひげを蓄えた男性が行っているのは「ウッド*1ターニング*2」と呼ばれる高速で回転させている木材に刃物を当て、徐々に削り取っていく仕事だ。「ウッドターニング」を行う際に、木材を回転させるための機械を木工旋盤*3という。

水平に取り付けられた木材は目にも止まらぬ速さで回転している。刃先を合わせて研磨させると、力加減に共鳴するように「がりがり」と大きな音がしている。形成されつつある木材に対して、さらに削りを入れていく。力や角度など繊細さと集中力が問われる作業であることは一目瞭然だ。

男性は木材の鋭利にとがった先端の周辺を丹念に削っていた。ところが、次の瞬間に木材が木工旋盤から離れて吹っ飛び、決河の勢いで男性に直撃してしまった。あの高速回転と矢尻のような先っぽが直に当たったのだから、衝撃は相当あったはずだ。口元から滴り落ちようとする流血が確たる証拠だ。

男性はぐっと耐えているものの、激痛であることは間違いない。商売道具の木材を無駄にしてしまうと同時に負傷してしまうとは「病む目に突き目*4」である。

木工旋盤の歴史と安全第一

木工旋盤を備え付けた部屋

木工旋盤は太古から存在し、その歴史は意外に古い。紀元前300年ごろにエジプト人が2人用の旋盤を開発したのが起源とされている。それから、試行錯誤がなされ、1人用の旋盤が開発された。さらに、16世紀に入ってから現代の木工旋盤の原型ともいえるフライホイール*5の回転動力を活用した旋盤が開発された。

現在では家庭でも使用できる大きさの木工旋盤があって、趣味の日曜大工にも活躍しているそうだ。ただし、この動画にあるような事故を予防するため、バイク*6やアメフト*7のヘルメット*8を着用してやるのが安全かもしれない。

「上手の手から水が漏れる*9」のことわざがある。負傷した動画の男性にも当てはまるかどうかは抜きにし、自らの過ちをあえて公開することが注意喚起につながるのは意味がある。

この失敗を糧にして最高の作品が仕上がることを切に願いたい。

(出典:YouTube

*1:【wood】木。木材。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*2:【turning】回転。転換。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*3:工作物を主軸とともに回転させ、往復台上にある刃物を左右前後に動かして切削する工作機械。表面切削・ねじ切り・孔あけなどを行う。レース。エンジン‐レース。ダライバン。ばんこ。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*4:病んでいる目を突かれて苦痛が重なる意で、不運に不運が加わることのたとえ。「病目(やまいめ)に突き目」とも。/出典:故事ことわざ・慣用句 第二版(三省堂 2010年)

*5:【flywheel】回転軸に取り付けた重い車で、クランク軸に与える力の変動を緩和して、回転を滑らかにするもの。弾み車・勢車。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*6:【bike】オートバイ。原動機付き自転車。バイク。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*7:【American football】アメリカで考案されたフットボールの一種。11人ずつの二組が攻撃と守備に分かれ、攻撃側が楕円形のボールを相手のエンド‐ゾーンに持ち込むことなどにより、得点を争う。ラグビーと異なり、防具をつけ、ボールをもたない相手をブロックでき、また前方へのパスも可能。米式蹴球。アメ‐ラグ。鎧球(がいきゅう)。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*8:【helmet】頭部を保護するために用いる金属や強化プラスチック製の帽子。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*9:どんなに上手な人でも、時には失敗することがある。普段は全く危なげなく何かをしている人が、たまたま失敗したときにいう言葉。/出典:故事ことわざ・慣用句 第二版(三省堂 2010年)