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タイ国内の最新移動手段!格安航空会社(LCC)事情に迫る

スワンナプーム国際空港のロビー

観光業が国内の主要産業になっており、日本の約1・5倍の国土を持つタイ。一昔前はタイ国内移動手段として高速バスが主流だったが、格安航空会社の登場で、飛行機の利用が右肩上がりだ。タイや東南アジアの航空事情はどのように変化しているのだろうか。

タイを代表するタイ国際航空

青空を横切るタイ国際航空の旅客機

タイの航空会社といえば真っ先に思い付くのがタイ国際航空ではないだろうか。スターアライアンスの一員として国際的にも高い評価を受けている航空会社である。行き届いたサービス*1とアジア*2らしさが見事に融合し、タイ旅行の際には欠かせない航空会社と感じる方も多いはずだ。タイ国内便ではタイスマイル・エアーとして格安航空会社を運航している。

タイ国内の格安航空会社は快適か?

航空機内から鳥瞰(ちょうかん)したタイ

日本国内でも格安航空会社は一般的に知れ渡ってきているが、タイのように国土が広いなら、なおさら需要が高い。格安航空会社は高速バスや自家用車よりも時間的な利点がある。また、最近では売り出しなども頻繁に行われており、価格面でも格安航空会社が高速バスより安くなることが多く、利用者は格安航空会社を積極的に選びつつある。

切符の購入に至っても、スマートフォン*3でネット*4予約ができるため、利便性も格安航空会社に軍配が上がっている。インターネット*5の利用増加率がアジア圏内でも高いとされているタイでは専用のアプリ*6でも予約ができる格安航空会社に注目が集まっている。

タイ国内運行中の格安航空会社4選

夕暮れの空港とノックエアのプロペラ機

しのぎを削る「サービス合戦」がタイに乗り入れる格安航空会社の間で繰り広げられている。それぞれの特長を端的にでも把握しておくことで、今後のタイ旅行をより有意義なものにしてくれるはずだ。ぜひとも覚えておきたい4社を以下に挙げてみた。

タイ・スマイル(THAI Smile)

タイ国際航空直系のタイ・スマイルは格安航空会社の中では若干値が張るものの、手厚いサービスで人気を博している。預け入れ手荷物も20キログラムまで無料で受け入れるなど顧客満足度を重視しているようだ。機内での飲み物の提供も行われるため、満足度が高い。一般的な格安航空会社が離着陸するドンムアン国際空港ではなく、スワンナプーム国際空港を利用するので、国際便から乗り換えをするなら圧倒的に便利だ。

ノックエアー(Nok Air)

タイ国際航空傘下のノックエアーはバンコクの格安航空会社用のドンムアン国際空港から離着陸し、主にタイ国内の主要都市への航行を行っている。近年日本などの海外便就航も発表され、国際航空会社として発足する。ちなみにノックとはタイ語で鳥を意味する言葉である。

エアアジア(AirAsia)

マレーシア*7発の格安航空会社。格安航空会社といえばエアアジアを直結させるほど認知度が高い。現在200機以上の航空機を保有し、安全面でも大きな評判を得ている。座席は革張りで、機内では毛布を含めた全てのサービスが有料となっている。必要なら注文するという方式だ。裏を返せば、余計なサービスを取り除き、安く抑えられる。

ライオンエアー(Lion Air)

タイにとって新規参入となるライオンエアーはインドネシア*8発の格安航空会社で、低価格での運航を売りにしている。まだまだ便数は充実していない。しかし、低廉な価格を武器に、預け入れ手荷物を15キログラムまで無料にするなど他社との差別化により、競争力をつけつつある。以前ビーマン・バングラデシュ航空の成田とバンコクを結ぶ路線が格安旅行を模索するバックパッカー*9などに受けていたので、再び「格安路線」の火付け役になるかもしれない。

格安航空会社の美点

だいだい色の鍵付きスーツケース

飛行機に乗り込むためには郊外の空港に足を運んで少々煩雑な手続きをし、出発まで長い待機時間を過ごさなければいけない、そんな悪い印象が航空機での旅行に付いて回るのも否めない。

しかし、格安航空会社の参入によって予約からチェックイン*10までが簡素化され、預け入れ手荷物の手続きも手早い。その実は預け荷物有料化によって、旅行者が荷物を減らす努力を行うようになった裏がある。それにしても、まるで高速バスでの旅行のように手軽に旅行できる魅力も加わったはずだ。

安全面での信頼性

夕暮れの空港とエアアジアの旅客機

費用を削減するためのしわ寄せが安全整備に出てくるとする懸念も多いが、安全面に関しては現状において問題ないというのが大方の見解である。

エアアジアは2014年12月28日にインドネシア・スラバヤ発シンガポール行きの便が事故を起こし、乗客・乗員の162名が死亡したとされる。

しかし、それ以降大きな事故は報告されていない。他の格安航空会社に関しても安全面では保証されているといえる。航空機の機体の整備、安全の確立は国際法でも定められているので、タイの格安航空会社のみが大きく逸脱して運行していることは考えにくい。

念のために外務省から発表されている「安全対策基礎データ」には目を通しておくとよいだろう。ちなみに、ラオス*11の国内線に対しては以前から安全に対する注意勧告が出されている。

まとめ

草原で象に乗る男性

安さと安全をはかりに掛けて格安航空会社の利用に二の足を踏む方がおられるのは非常に理解できる。なぜなら、私もその一人だからだ。しかし、調べるに連れて、その不安も払拭(ふっしょく)されつつあるのも事実だ。

短期間のタイ旅行では、どうしてもバンコク周辺のみになりがちだが、格安航空会社の利用を視野に入れれば、一気に行動範囲が広がるはずだ。

格安航空会社の「安全神話」が崩壊してしまえば、一気に顧客離れを生じることを経営陣も熟知しているので、安全面を軽んじることはなさそうだ。しかし、掃除や預け手荷物の手荒い扱いなどには目をつぶる必要があるかもしれない。

タイの百貨店の店員に売り場を尋ねたら、「あっちの方」と指さされたことがある方なら、取るに足らない話である。

*1: 【service】相手のために気を配って尽くすこと。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*2:【Asia】六大州の一。東半球の北部を占める。世界陸地の3分の1にあたり,ヨーロッパ州とともにユーラシア大陸をなす。南北はマレー半島からシベリア,東西は日本からトルコおよびアラビアにわたる地域。ウラル山脈・カスピ海・カフカス山脈・黒海・ボスポラス海峡によりヨーロッパと画され,スエズ地峡によりアフリカ大陸に接する。アジヤ。〔「亜細亜」とも書く〕/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*3:【smartphone】パソコンに準じる機能をもつ携帯電話端末。通話機能のほか,メールやブラウザーなどのネット機能,住所録や日程管理などの情報管理機能などをもつ。多くの場合,高度なカスタマイズが可能。スマートホン。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*4:【net】インターネットの略。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*5:【Internet】アメリカ国防省の高等研究計画局の支援を受けたアルパネット(arpanet)から発展した地球規模のネットワーク。通信回線を介して,世界各地の個人や組織のコンピューターがつながっている。ネット。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*6:ワープロ-ソフト・表計算ソフトなどのように,特定の仕事をするために作られたソフトウエア。アプリケーション-プログラム(AP)。アプリケーション-ソフト。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*7:【Malaysia】マレー半島南部とカリマンタン島北部から成る立憲君主国。1963年マラヤ連邦・サバ・サラワクなどが結成した連邦国家。一三州から成る(結成当初参加したシンガポールは65年分離・独立)。ゴム・スズの世界的な産出国。マレー人のほか中国系人・インド系人が居住し,民族構成は複雑。主要言語はムラユ語と英語。イスラム教を国教とする。首都クアラルンプール。面積33万平方キロメートル。人口2840万(2010)。正称,マレーシア。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*8:【Indonesia】赤道直下の,マレー諸島などから成る共和国。主な島はジャワ・スマトラ・カリマンタン島の大部分・スラウェシ・ニューギニア島西半分など。石油・天然ガス・ボーキサイト・スズ・ゴムなどを産する。旧オランダ領東インド。1602年からオランダの植民地支配を受けたが,1949年独立。首都ジャカルタ。住民の多くはイスラム教徒。面積189万平方キロメートル。人口2億3800万(2010)。正称,インドネシア共和国。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*9:【backpacker】食糧や寝袋を背負って旅行をする人。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*10:【checkin】旅客が行う,飛行機の搭乗手続き。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*11:【Laos】インドシナ半島北東部にある人民民主共和国。メコン川中流東岸に位置し,国土の大部分を山岳・高原が占める内陸国。米・チーク材・スズなどを産する。住民はラオ族が主で仏教を信奉。1893年フランスの統治下に入ったが1953年独立。75年に立憲君主制から共和制に移行。首都ビエンチャン。面積24万平方キロメートル。人口612万(2009)。正称,ラオス人民民主共和国。〔「羅宇」とも当てた〕/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)