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オオカミ4匹にリンゴは一つ!油断も隙もない争奪戦?

リンゴを奪おうとするオオカミと守ろうとするオオカミ

食事のときに仲間たちと分け合うべく注文したら、料理の個数が人数分ないことがある。こんなときは大抵機転を利かせて切って分けるか、誰かが遠慮することで解決するだろう。ところが、オオカミの場合はどうだろうか。人間のように、うまくいけばよいのだが。

たった一つのリンゴを巡る攻防

森林の中にいる4匹のオオカミたち。そのうち1匹が大事そうにリンゴを抱えている。どこで拾ってきたのかは不明だが、かなりお気に入りの様子だ。リンゴが余程おいしそうに見えたのか、他のオオカミたちも虎視眈々(たんたん)と狙っている。

しかし、リンゴを抱えたオオカミは、けちなのか食いしん坊なのか、分かち合おうとする気はこれっぽっちも持っていないようだ。リンゴを食らおうとする仲間にかみ付こうとしたり、うなって威嚇したりして「手出しするな」と言わんばかりだ。

どうやらオオカミの世界には「独占禁止法*1」という概念は存在しないらしい。

集団行動をするオオカミ

群れなす北極オオカミ

オオカミの餌は一般的に鹿などを捕獲して身から内臓や皮まで食べている心象が強い。確かに鹿の肉を餌にすることはよくあるが、実際にはそれだけではなく、ウサギやネズミも好物のようだ。加えて、人間が出した生ごみまでも食べる「雑食性」の動物なのだ。

また、オオカミは群れで行動する動物で、通常5匹~9匹ほどの群れで狩りなどを行う。オオカミの群れの中には知力や体力に応じた順位付けが存在する。その序列に従って、狩りのときの役割や獲物を食べる順番まで決められているのだ。

そして、通常は父親であることが多いのだが、上位のオオカミは最初に食べる権利がある反面、群れの仲間たちも食べられるように分け前を与える役目がある。どこか人間社会にも通ずるものを感じるが、そうやってオオカミは群れを形成しながら生存してきたのだ。

そのように考えると、本動画のオオカミは独占欲を優先してしまっているから、本来の「オオカミが持つ習性」とは相反する行動になるのかもしれない。

群集社会に適応しなかったオオカミ。まさに「一匹おおかみ*2」である。

(出典:YouTube

*1:正称,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律。1947年(昭和22)制定。私的独占,不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し,事業支配力の過度の集中を防止し,公正かつ自由な競争を促進することにより,一般消費者の利益を確保するとともに,国民経済の健全な発達を促進することを目的とする。事業者による私的独占・不当な取引制限及び不公正な取引方法・事業者団体による競争制限行為等の禁止のほか,公正取引委員会等についても定める。独禁法。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*2:〔群れを離れて一匹だけで暮らす狼の意〕集団に属さず,独自の立場で行動する人。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)