深海をたゆたうクラゲが放つ神変不思議な花火とは?
森羅万象が未知から既知へと解明されていく現代。しかし、深海で生息する動植物の実態はいまだ不明な点が多いそうだ。それもそのはず、海底は広大無辺で人跡未踏の場所だらけだからだ。従って、この海中の「華麗な花火」の存在も知らなくて当然である。
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海底の暗闇に照り映える花火
ここは海底の暗闇の中である。神秘的とも奇々怪々とも表現できる七色の蛍光色をした物体がぷかぷか浮遊している。この正体は「Halitrephes maasi」と呼ばれる深海海月*1の一種らしい。目を凝らしていると、故水木しげる氏のゲゲゲの鬼太郎に登場する「目玉おやじ」の周りで色鮮やかな花火が飛び散っているように見えなくもない。
ききょう色*2の花火にも似た触手も繊細で美しい。クラゲの体の一部が海中の無人潜水機からの発光に反射し、このような「海中花火」に見えるとのこと。だから、本来のクラゲが持つ色を動画からは確認できないそうだ。
この大海を漂うクラゲは悠久の時を経て、海底に生息する動植物の一つに過ぎないのだろう。 そして、改めて地球の奥深さと未知なる存在が、まだまだ眠っていることを実感させられた。
クラゲの生息数は?
夏の季語ともなっており、海水浴のころになると日本の海辺でも見掛けるクラゲ。世界中には果たして何種類くらいのクラゲが生息するかご存じだろうか。
その数なんと約3000種類。温暖な海にいる印象が強いクラゲだが、中には北極や南極に生息する個体もいる。また、このクラゲのように深海で生息するものまでおり、あらゆる海の中にいる。ちなみに、日本で生息しているのは200種類である。さすが島国とあって随分と割合が大きい。
最近では観賞用として家庭でも飼育されているクラゲだが、大量発生による漁業への被害も深刻なようだ。それだけにとどまらず、発電所が停止に追い込まれる事態にも発展している。一刻も早く大量発生の原因を特定し、解消してもらいたいものだ。
ところで、日本から気骨のある人間が減り、「クラゲ*3」が増えている気がするのは私だけだろうか。
(出典:YouTube)
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*1:【〈水母〉・〈海月〉】腔腸動物のヒドロ虫類・ハチクラゲ類の浮遊世代と,有櫛(ゆうしつ)動物の個体の総称。ほとんどが海産。体は寒天質で骨格はなく,一般に傘形をなし,浮遊生活に適している。下面中央に口柄(こうへい)があり,先端に口が開いている。傘の縁には平衡器・触手などがある。ビゼンクラゲなどは食用になる。刺胞に強い毒をもち人間に害を与える種類もある。古来,骨のないもののたとえにする。夏。鉢虫綱の刺胞動物の総称。ビゼンクラゲ・タコクラゲ・ミズクラゲなど。〈 夏 〉。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)
*2:【桔梗色】桔梗の花の色、すなわち青紫色。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)
*3:【水母・海月】確固たる主義がなくて、常に意見が動揺する人。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)