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巨大な氷塊とトランポリンの強度対決!軍配が上がるのは?

45メートルの高さから落とされる巨大な氷塊

世の中には有りと有らゆることに白黒をつけたがる趣も少なくない。チーターとプロングホーンではどちらが俊足か。犬と猫ではどちらが愛らしいかなど枚挙にいとまがない。この動画では氷の塊とトランポリンが丈夫さを懸けて真っ向勝負する。

落下したスイカが木っ端みじん!果たして氷塊はどうなる?

この動画では45メートルの高さから物を落とし、トランポリン*1が跳ね返せるかどうかを試している。いわば現代版の「矛と盾」である。たわいない企画だが、高所から加速して落下する物体とトランポリンの結末に興味津々だ。

手始めに10キロあるスイカ*2で挑戦。スイカが落下したときの衝撃で、トランポリンの表面が沈み込む。ばねが駄目になるかと思いきや、ものの見事にしなって跳ね返した。そして、枠外に飛び出したスイカは地面に叩き付けられて砕け散った。無残なスイカを気の毒に思うと同時に、トランポリンの強靱(きょうじん)さに驚かされた。

続いて、重さ28キロの氷塊をトランポリンに落下させる。スイカより3倍近く重いため、トランポリンはスイカのときよりも大きく陥没し、落下の重圧で何本かのばねが外れてしまった。しかし、たくましいトランポリンが氷塊に負けることはなかった。

竜虎相打つ見応えのある対決はトランポリンの勝利で幕を閉じた。暫定の「不死身のトランポリン」なる称号を与えてもよさそうだ。

現代版「矛盾を晴らす」ための試み

森の中にいる直立不動の騎士

なんでも突き破りそうな巨大な氷塊となんでも跳ね返すトランポリン。この対戦は現代における「ことごとく貫通する矛」対「漏れ無く食い止める盾」と換言できる。このうたい文句は理論的に破綻しているわけで、どちらかに必ず虚妄が含まれる。簡潔に「どっちが強い」を試すところに、この動画の面白さがあるのではないだろうか。

ところで、インターネットや記録媒体の発達により、あやふやな仮説や言い伝えが通用しなくなりつつあるのではないだろうか。なぜなら、遊びの延長線上でも徹底的に事実か虚構か検証しやすくなったからだ。

しかし、全てを「0か1」で決定するデジタル*3思考に、いささかの懸念もある。日常的な人間のコミュニケーション行為*4には「なあなあ*5主義」の必要性を感じる場面が多々ある。また、人間が生きていく上で忖度(そんたく)*6は必ず存在し、それは信頼関係の一つだと捉えることもできるからだ。

関西人の「もうかりまっか」「ぼちぼち*7でんな」は数十年後どうなっているのやら。

(出典:YouTube

*1:【trampolin(e)】体操用の器具。スプリング付きのカンバス‐シートを利用して、飛び上がったり空中で回転技などを行なったりするもの。もと商標名。また、これを使ってする運動。2000年よりオリンピック種目。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*2:【西瓜・水瓜】(スイは「西」の唐音)ウリ科の一年生果菜。アフリカ中部原産とされ、日本には16~17世紀に渡来したという。蔓性で雌雄同株。球形・俵形などの大形果実をつけ、果肉は淡紅・紅・黄・クリーム色などで水分が多く甘味がある。夏の生果として食用。種子も食用、または薬用。多くの品種があり、今はほとんど一代雑種。三倍体によるタネナシスイカもある。〈 秋 〉。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*3:【digital】ある量またはデータを、有限桁の数字列(例えば2進数)として表現すること。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*4:(kommunikatives Handeln(ドイツ))ハーバーマスの用語。自己中心的な成果を志向する戦略的行為とは異なり、相互に了解を志向しながら強制なき合意形成を目指すような言語コミュニケーションのあり方。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*5:(感動詞「なあ」を重ねたもの。軽く念を押す程度で、厳しく確認・追及せず事を処理することから)妥協して安易にすませること。なれ合い。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*6:(「忖」も「度」も、はかる意)他人の心中をおしはかること。推察。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*7:物事の進行がわずかで緩慢なさま。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)