人生は旅だ

よもやま話に花が咲く

カモを捕まえる原始的なわな!自然を利用した調理法とは?

わなの前で立ち止まるカモ

近年の情報技術の目覚ましい発展により、われわれの生活様式は大きく変化しつつある。一方、それに反比例して自然と触れ合う機会は逓減している。だから、たまには山川草木を身近に感じ、花鳥を眺めるのもいいはずだ。ただし、ここまでするかは抜きにして。

急斜面を流れる川沿いでカモを捕獲

起伏に富んだ地形に2人の男性が登場する。そこは森林の間を縫うように勢いのなかなか速い小川が流れている。岩場にいるカモ*1の背後から忍び寄り、手づかみにしようとするが相手は何しろ野性だ。気配を感じるや小川に飛び込んで、があがあと鳴きながら一目散に逃げてしまった。

そこで、彼らは深林の中から枝やつるを調達して仕掛けを作り出す。土台を完成させ、重りの付いたつるを最上部に張る。その木づちのような重りと地面の間で支えている小枝の中央部は切断されており、少しでも力が加わると外れる仕組みになっている。つまり、何回もつるを回転して固定されている木づちが、反発力によって力強く打撃を加えるわけだ。最後にカモの好物の小魚を真下にまいて出来上がり。

彼らが一度退散して森の中に身を隠していると、カモがまんまと仕掛けに寄ってきて、支えである小枝をくちばしで突く。すると、重りが高速で一回転してカモの後頭部を直撃。さらに、追い討ちをかけるように二回目の攻撃が容赦なく襲う。

思惑通りカモを捕獲した2人は川瀬で毛を剥ぎ取り、カモの白い地肌をさらけ出す。そして、即席の炭火の上につるされ、じわじわと火を通していく。やがて丸ごと焼かれたカモ1匹がササの葉の上に載せられる。ここは北京ダック*2専門店ではないので、皮と身を奇麗に切り分けられることはない。大胆に足を引きちぎり、がぶりと食らいつく。骨付きを食べ尽くすと、残った骨を投げ捨てる。はるか太古の人類の生活をほんの少しだけ垣間見た気がした。

カモとアヒルの違いとは?

水中に潜るアヒル

カモは世界中に分布する「ガン*3・カモ科」の水鳥の一種で、マガモ*4をはじめ110種類にも及んでいる。日本に渡ってくるのは、マガモ、コガモ、オナガガモなお約30種類。ちなみに、アヒル*5はマガモを原種に、食肉用や羽毛採集などを目的に家禽(かきん)化されたカモの近親ともいえるもので、英語ではどちらも「duck」で変わりはない。

人間をわなに掛ける不届き者もいるので、「いいカモ」になりませんように。

(出典:YouTube

*1:【鴨・鳧】カモ目カモ科の鳥のうち、比較的小形の水鳥の総称。ガンに似るがより小形で、一般に雌雄異色。前向きの3本の趾(あしゆび)の間に蹼(みずかき)がある。嘴(くちばし)は横に扁平で櫛の歯状の板歯がある。河海・湖沼に生息。世界に約100種。日本では秋、北地から渡来し、春、北に帰るものが多い。マガモ・コガモ・ヨシガモ・トモエガモなど。〈 冬 〉。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*2:【烤鴨子】(中国語)丸焼きにしたアヒルの皮をそぎおろして、ネギ・甜麺醬(テンメンジャン)とともに薄焼きの小麦粉の皮にくるんで食べる料理。代表的な北京料理。北京ダック。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*3:【雁・鴈】カモ目カモ科の鳥のうち、比較的大形の水鳥の総称。ハクチョウより小さく、カモより大きい。体形・生活状態はカモ類に似るが普通雌雄同色。北半球北部で繁殖し、日本では冬鳥。マガン・ヒシクイなどが多い。かり。かりがね。〈 秋 〉/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*4:【真鴨】(古くはマカモとも)カモの一種。大きさは約60センチメートル。雄の頭・頸は光沢のある緑色で、頸に白色の1環があり、背は褐色、腰は紺色、翼は灰褐色、翼鏡は紫緑色。上胸は暗栗色、以下灰白色。雌は全体黄褐色で暗褐色の斑紋がある。北半球に広く分布し、日本付近では北海道・千島・本州の一部などで繁殖。アヒルは本種を家禽化したもの。雄を「あおくび」ともいう。〈 冬 〉。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*5:【家鴨・鶩】カモ目カモ科の家禽。マガモの飼養品種で、種類が多い。肉や卵をとり、羽毛は羽ぶとんなどに使用。▶脚が短く尻を振る歩き方から、時にそのようなさまのあざけり語として使われた。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)