人生は旅だ

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深酔いの飼い主を周囲から死守!けなげな用心棒のわん公

指一本も指させない構えの飼い犬

あなたの相棒がすっかり酩酊(めいてい)し、路上でぐうぐう寝ていたらどうするだろうか。手荒にたたき起こすか、安全な場所ならほったらかす選択肢もあるはずだ。しかし、このわん公は一味違う。なぜなら、身をていして飼い主を守ろうとするからだ。

相手が警官でもなんのその!

大酒飲みの男性が道路の真ん中に横たわり、ねむりこけている。取り囲んでいる人たちが様子をうかがっているものの、男性は微動だにしない。メタボ*1なお腹を出して爆睡している。

終始男性に寄り添って心配しているのが黄色い毛並みのわん公だ。誰かが飼い主に少しでも触れたものなら、甲高いほえ声を上げて必死に防御。相手が通行人であろうが、警官であろうが問答無用である。身辺の護衛を一手に引き受けたとばかりに邪魔者たちを追い散らし、飼い主の顔をなめ回して起こそうとしている。

そのかいあってか、やっとこさ飼い主が目を覚ます。ただし、ヘルメット*2をかぶりながら寝ていたことから、飲酒運転の疑いもぬぐいされない。これから警察にたっぷりときゅうを据えられるだろうが、何より無事だったので一件落着だ。

犬の仕事はこんなにいっぱい!

湖のほとりに立つ背中にかばんを抱える使役犬

盲導犬や警察犬のみならず、犬は自身が持つ嗅覚や頭脳を生かしてわれわれの生活を支えてくれている。犬が行う仕事の中で最も多いのは持ち前の嗅覚を十分に発揮した仕事である。なんと人間の100万~1億倍ともいわれている犬の嗅覚を活用した仕事は主に以下のようなものがある。

  1. 警察犬*3
  2. 麻薬探知犬*4
  3. 災害救助犬*5
  4. 放火探知犬
  5. 遺体探知犬
  6. がん*6探知犬
  7. シロアリ*7探知犬
  8. ハブ*8探知犬

これらの使役犬*9のうち、将来的に需要が高まると予想されているのが遺体探知犬である。なぜなら、災害や殺人現場などにおいて、嗅覚を生かして遺体を発見する役割は貴重だからだ。また、非常に残念ではあるが、今後単身住まいの高齢者の増加とともに、孤独死*10の数も比例して右肩上がりになるためである。

このように犬は特長を生かし、われわれの生活を支えてくれている。しかし、犬が活躍する場面はあまたあれど、「酔っぱらい介抱犬」はいまだに確立されていない。

本動画のように酔人をしっかりと保護する。そして、マーライオン*11のように嘔吐(おうと)し、路傍で寝そべっても目覚まし代わりにほえ続けてくれるはずだ。

しまいには犬にも愛想を尽かされ、小便で起こされなければいいのだが。

(出典:YouTube

*1:【metabolic syndrome】内臓脂肪型肥満に加え、高血糖・高血圧・脂質異常症のうち二つ以上を合併した状態。動脈硬化性心疾患予防を目的とする疾病概念で、ウェスト周囲径に加え血糖値・血圧などの基準値がある。内臓脂肪症候群。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*2:【helmet】頭部を保護するために用いる金属や強化プラスチック製の帽子。尾崎紅葉、不言不語「鐔闊(つばひろ)の兜帽(ヘルメット)を召したるまゝなれば」/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*3:警察の犯罪捜査などに利用する犬。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*4:麻薬取り締まりの際,嗅覚を用いて麻薬を発見するため特別に訓練された犬。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*5:災害時に、行方不明者などを捜索するよう訓練された犬。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*6:【癌】悪性腫瘍(しゅよう)の総称。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*7:【白蟻】シロアリ目(またはゴキブリ目シロアリ科)の昆虫の総称。体の形はややアリに似るがゴキブリに近縁。常に暗い所にすみ、体の色は白い。アリに似た社会生活を営み、木材の内部に食い入って、家屋などに大害を加える。日本にはヤマトシロアリ・イエシロアリなど、熱帯には巨大な塚を作るツカシロアリなどがいる。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*8:【波布・飯匙倩】クサリヘビ科の毒ヘビ。沖縄諸島・奄美(あまみ)諸島に分布。全長2メートルに達し、頭はほぼ三角形、飯を盛る匙(さじ)のようでマムシに似るが、頭部背面の鱗は小さい。樹上または草陰にひそみ、小型の哺乳類・鳥類を主に食う。攻撃性が強く猛毒をもち、人畜を咬(か)むことがある。近縁種にトカラハブ・サキシマハブ・タイワンハブなど。奄美・沖縄諸島には、太く短い別種ヒメハブも分布。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*9:【working dog】人間のために働くよう特別に訓練された犬。警察犬・麻薬探知犬・盲導犬・介助犬など。ワーキングドッグ。作業犬。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*10:看取る人もなく独りで死ぬこと。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*11:【merlion】上半身はライオン,下半身は人魚の姿をした伝説上の動物。シンガポールの象徴とされる。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)