人生は旅だ

よもやま話に花が咲く

救いの手を差し伸べる!足元が凍り付いて飛び立てない小鳥

寒さのせいで鉄棒から足が離れなくなってしまった小鳥

風吹きすさぶ極寒の日に、外出はおろか家にいても動くのがおっくうになってしまう。極力体を動かさず、体力を温存することで、寒さを耐えしのぎたくなるもの。鳥たちはどのように考えているのだろうか。ただし、飛び立てなくなってしまっては一大事だ。

鉄棒から動けなくなってしまった小鳥を救済

貯水槽の水を飲んだ1羽の小鳥。飲んだ後に鉄棒で休んでいたところ、足がぬれていたため、足元が凍り付き、離れられなくなってしまった。ばたばたと羽ばたいて脱出を図るのだが、いかんせん足が鉄棒にぴったりと接着してしまっている。

すると、ある男性が左手を差し出し、小鳥を軽くくるんで手のひらの中に包み込む。人間の体温を使って小鳥に暖を与える算段だ。それだけでなく、熱のある息を直接足元に吐き、氷を溶かそうとする優しい気遣いだ。

「救いの手を差し伸べる」とは、まさしくこのことだろう。小さな命を救った男性の手と息吹によって小鳥は鉄棒から離れることができた。小鳥はぬくもりに感謝したに違いない。そして、飛び去るときの鳴き声が「ありがとう」と聞こえるから不思議なものだ。

鳥類の寒さへの適性

枝に止まる小鳥

鳥類*1は寒さに対して、いかほど強いのだろうか。哺乳類*2と鳥類は恒温動物*3のため、地球の氷河期*4に絶滅したとされる恐竜と同類の爬虫(はちゅう)類と比べて、寒さへの適応能力があると言える。ただし、近年恐竜は体温調節ができたとする説も見られることを付け加えておきたい。いずれにせよ、体の表面が羽毛で覆われており、渡り鳥*5の中でも冬鳥*6の特性などからも鳥類は寒冷に応化できるのが分かる。

脊椎動物*7の体温調節の能力

生物群 体温の変化 備考
哺乳類 恒温動物 例外として以下は変温動物に属する。
怠け者*8、ハダカデバネズミ*9
鳥類 恒温動物 例外として以下は変温動物に属する。
郭公*10
爬虫(はちゅう)類 変温動物 例外として以下は恒温動物の機能を有する。
ウミガメ*11
両生類*12 変温動物
魚類*13 変温動物 例外として以下は恒温動物の機能を有する。
カジキ*14

飼い猫と野良猫と同じで、日常的に屋外で生活している鳥であれば、かごの中よりも寒さへの耐性は優れているはずだ。ただし、小鳥は体が小さいために、寒さで体温が奪われ、動けなくなってしまうことが多々ある。

もし心ある男性の救出が少しでも遅れていたら、小鳥は間違いなく息絶えてしまっていただろう。この小鳥から次のような教訓を得た。寒天の雪山においては人間でも「寝たら死ぬ」は紛れもない事実であることだ。

暗雲立ち込めるわが家で「記念日を忘れたら死ぬ」も戒めにしよう。

(出典:YouTube

*1:脊椎動物門鳥綱に属する動物。卵生。飛翔生活に適応した進化がみられ,肺には数対の気囊(きのう)が発達し,前肢は翼となって後肢との分業が顕著であり,体は羽毛でおおわれる。恒温動物。全世界に約八千六百種が分布し,きわめて多様な生活様式を有する。足にうろこをもつなど,爬虫類と共通する点を多くもち,「進化した爬虫類」ともいわれる。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*2:脊椎動物の一綱。ヒトを含む。温血で肺によって呼吸する。基本的には胎生で、雌は、皮膚腺の変化した乳腺から乳を分泌し仔を哺育する。皮膚には毛またはその変形物があり、大脳は発達し複雑な行動をとる。下顎骨が単一。三畳紀に両生類あるいは爬虫類から進化したが、栄えるのは6600万年前の新生代になってから。サル目(もく)(霊長類)・ネコ目(食肉類)など約50の目に分けられるが、現生は29目のみ。哺乳動物。哺乳綱。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*3:哺乳類・鳥類のように、体温調節の能力をもち、外気の温度に関係なく常にほぼ一定の体温を維持する動物。定温動物。温血動物。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*4:通常は氷期のこと。氷期と間氷期が繰り返された氷河時代を指すこともある。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*5:繁殖地と越冬地が異なり、毎年定まった季節に移動をくりかえす鳥類。一地方にすむ鳥は、渡りの性質によって留鳥(りゅうちょう)・夏鳥・冬鳥・旅鳥・漂鳥・迷鳥に分類するが、同一種でも地域によって違いがあり、固定したものではない。候鳥。〈 秋 〉/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*6:秋に北方から渡ってきて越冬し、春に再び去って夏に北方で営巣・繁殖する渡り鳥。日本ではガン・カモ・ツグミなど。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*7:脊索動物門の一亜門。脊椎を身体の中軸として体軀(たいく)を支持する動物。体は左右相称、頭・胴・尾・四肢の別がある。魚類・両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類などに分ける。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*8:【怠け者・懶け者】(「樹懶」と書く)アリクイ目ミユビナマケモノ科とフタユビナマケモノ科の哺乳類の総称。2属5種。前者は前肢の指が3、後者は2。いずれも体長60センチメートルほど。顔は丸く、小さい。体には硬い茶色の毛が生えている。四肢の鉤爪は長く、木の枝にぶら下がって生活する。動作は緩慢で、ほとんど木から下りない。ホンジュラスからブラジルに分布。木の葉・果実を食う。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*9:【裸出歯鼠】デバネズミ科ハダカデバネズミ属の齧歯(げっし)類。体長約8センチメートル。体毛は極めて薄い。門歯は下唇の外に出、土を掘るのに適し、地中のトンネルで暮らす。100匹を超えることもある群れで1匹の雌だけが出産・授乳する。エチオピア周辺に分布。老化・癌化への耐性が高い。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*10:カッコウ目カッコウ科の鳥。ハトよりやや小形。ほぼ灰褐色で腹には白地にタカに似た細く密な横斑がある。鳴声は「かっこう」と響く。夏、日本に渡来し、モズ・ホオジロ・オオヨシキリ・オナガの巣中に托卵し、これらの鳥を仮親として哺育される。なお、カッコウ科(旧称ホトトギス科)は、世界に約150種。また、古来、和歌などで「ほととぎす」に「郭公」を当てた。閑古鳥(かんこどり)。呼子鳥(よぶこどり)。ふふどり。がっぽうどり。〈 夏 〉/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*11:【海亀】海産のカメ類。現生種はウミガメ科・オサガメ科で、アオウミガメ・アカウミガメ・タイマイ・オサガメなどの種類がある。いずれも体が大きく、四肢はオール状またはひれ状。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*12:脊椎動物の一綱。魚類と爬虫類との間に位し、多くは卵生であるが、卵胎生のものもいる。変温動物。皮膚は軟らかく湿っている。一般に四肢があって、前肢に2~4指、後肢に2~5趾を有する。普通、幼時は鰓(えら)があって水生だが、成長すると鰓が消失して肺を生じ、陸生となる。アシナシイモリ目(無足類)、サンショウウオ目(イモリ・サンショウウオ・オオサンショウウオなど。有尾類)、カエル目(無尾類)に分けられる。両生綱。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*13:脊椎動物の一群。いわゆる魚の類。水中に生活し、体は水の抵抗を少なくするために紡錘形・側扁形のものが多く、ひれがある。胸びれ・腹びれは体の平衡を保つためのもので、運動には尾びれを用いる。また鱗があり皮膚を保護。呼吸には鰓(えら)を用いる。硬骨魚類・軟骨魚類・円口類があるが、狭義には前二者を指す。うお。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*14:マカジキ科とメカジキ科の硬骨魚の総称。体はマグロに似るが、上顎は剣状に延びている。背部は青黒く、腹部は淡色。熱帯・温帯の外洋に分布。美味。かじきまぐろ。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)