人生は旅だ

よもやま話に花が咲く

水をまいて出来上がった池で魚釣りを始めるアニメーション

ストップモーションアニメーションで表現された魚釣り

啓蟄(けいちつ)を迎え、暖かくなってくるとキャンプもいいもんだ。楽しみの一つは開放感あふれる野外での食事である。ただし、調理に必要な食材の調達はなかなか面倒なもの。この動画のように簡便にできたら、願ったりかなったりなのだが。

現実とアニメを合体した独特な構成

まず左右の照明がつけられ、平屋のログハウス*1がかたんと置かれる。そして、屋根がとんとんとたたかれると、青藍色の夜空にまん丸いお月さまのお出ましだ。ストップモーションアニメーション*2による動きは単純なのに、決して無機質ではないのが妙に新鮮である。

続いて、井戸の背丈の倍以上はある大木をおのを使って切り倒す。倒木を切り割りしてまきを重ねていく。直後に手品師のように指をぱちんと鳴らすと、まきに着火する。現実と非現実の釣り合いが絶妙で、ついつい見入ってしまう。

現実とアニメの交錯はまだまだ続く。今度は井戸からくみ上げた水を地面に数回まく。すると、はすの花と葉が浮かぶ池が完成がする。太公望の気分になって釣り糸を垂らすと、早速大きい当たりが来たので、一気に釣り上げると金色の大魚が釣り上がる。

先ほど火を付けたたき火で調理して、ぺろりと平らげる。現実とアニメがごちゃ混ぜになった不思議な夜。げっぷとともに骨だけになった魚が皿に戻されて幕を閉じたのだった。

実写とアニメの融合

月夜に見える川向こうのビル

今でこそCGことコンピューターグラフィックス*3は随所に組み込まれているが、実写とアニメの融合は一体いつごろから始まったのだろうか。

有名な映画で思い出されるのが、1988年の「ロジャー・ラビット(Roger Rabbit)」と1996年代の「スペースジャム(Space Jam)」辺りだろうか。「ロジャー・ラビット」は、主人公のロジャー・ラビットと主演の探偵役ボブ・ホスキンス氏との掛け合いが愉快だった。しかし、この映画の出演者たちは目に見えないアニメのキャラクター*4に苦心惨憺(さんたん)したようだ。

現代はIT*5の進歩によって、一昔前と比べても効率よく実写とアニメを一つの作品にできるだろう。これはお互いの長所を引き出す「多様性」につながるかもしれない。

一方、現実と仮想の混同による重大な事件が後を絶たない。これは仮想が現実に侵食したことに起因しているはずだ。発展のひずみがもたらした「あしき産物」と換言できるだろう。

その「なんとか通貨」もアニメ*6でなければ良いのだが。

(出典:YouTube

*1:【log house】丸太造りの建物。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*2:【stop-motion animation】アニメーションの制作技法の一。物体を少しずつ動かしたり変形させたりしながら,ひとコマずつ撮影(コマ撮り)して映像にするもの。粘土による造形物を撮影対象にするクレー-アニメーションなど。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*3:【computer graphics】コンピューターを利用して画像・動画の作成や表示を処理する技術分野。また、それによって作られた画像・動画。CG/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*4:【character】小説・映画・演劇・漫画などの登場人物。その役柄。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*5:(information technology)コンピューターや通信など情報を扱う工学およびその社会的応用に関する技術の総称。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*6:少しずつ動かした人形、または少しずつ変化させて描いた一連の絵などを一こまごとに撮影し、これを連続映写して動きの感覚を与える映画・テレビ技法。漫画・劇画映画・テレビ番組の制作に使用。また、その映画・テレビ番組。動画。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)